You are

 あなた。

 あなたは刑事だ。あなたは人の声を聞く。まずは死体の声。通りすがりのギャングに殺された死体は肺から血を流しながらあなたにこう言うだろう。「くたばれファックユー」それから容疑者も。あなたは、

 あなたはRCMの刑事だ。警察のことが好きな人間はそう多くない。だからあなたは代わりに街の声を聞く。あなたはここから4.5キロ離れたアパートの窓が割れる音を聞くことができる。あなたは、

 あなたは終末思想の論者だ。あなたは存在しない物事を聞き、あらゆる事柄を終わりと結びつけようと躍起になっている。しかしあなたの叫びはペイルに飲み込まれ誰にも聞かれることはない。あなたは、

 あなたはアル中だ。実際にあなたが聞いているのが酒による幻聴ではないと誰が言える? あるいは、酒からの誘惑の呼び声に抵抗する余りの支離滅裂な言動ではないと? あなたは、

 あなたは、妻に去られた独身男性だ。だからあなたは酒に逃げた。その自意識が存在しない声を聞く。自分を責める声だ。いや、ある程度は真実なのだ。あなたは、

 あなたはみすぼらしい中年の男だ。腹は弛み、髭は汚らしい。服装はかつて栄華を誇ったディスコ・スタイルを体現している。あなたはいつでも音楽にノることができる。ディスコの音を聞くのだ。あなたは、

 あなたは、あなたは、あなたは――

 あなたは声を聞き、声を聞き、声を聞き、声があなたに入り込む。あなたに楔を打ち込み、あなたをかち割る。あなたは無数に定義され、腑分けされ、逆説的にあなたは何者でもなくなっていく。あなたはけていく。あなたは世界であり、RCMであり、終末であり、ディスコであり、未知生物であり――

「警部補」

 あなたの相棒があなたを呼ぶ。あなたはハリアー・デュボア。今のところ、あなたは刑事だ。